中国における環境経営に基づいたMFCA導入の可能性

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  • チュウゴク ニ オケル カンキョウ ケイエイ ニ モトズイタ MFCA ドウニュウ ノ カノウセイ
  • Possibility of Introducing MFCA Based on Environmental Management in China

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抄録

21世紀に入り、中国は「科学的な発展」をは じめ、資源節約型社会、環境保全型社会(以下 両型社会と略す)の構築を目標とし、低炭素経 済発展モデルを求めつつある。しかし、今日、 中国企業は資源、エネルギーを多消費してきた 代価により急速に発展できたが、その資源、エ ネルギーの大量消費に起因する産業公害と地球 温暖化問題を引き起こしている。 現在、中国おいては、国が進める環境政策に 対し、企業経営層の環境意識が低いという二重 構造という現実がある。つまり挙国的な「両型 社会」という対策を提唱している一方、企業は、 使い放題というような資源浪費で資源生産性が 低下し続けているのである。 このような問題を解決するため、中国におけ る資源生産性の向上を高揚する「環境経営」を 進める必要がある。しかしながら、中国の現行 の製品原価計算は、・・・日本でも原価計算は 同様であるが・・・良品(基準を満たしたもの)、 いわゆる合格品のみを計算している。つまり、 生産プロセスにおける廃棄物や不良品の原価が はっきりわからずに、すべて良品原価に加算す る。その原価成因が生産プロセスに隠れている ので、原価に関心を持っている経営者でさえ分 からない。更に、廃棄物の再発生を抑制するこ とも困難である。したがって、資源生産性の向 上(中国語で節能減排)がかなり難しいといって も過言ではない。 本研究はマテリアルフローコスト会計 ( Material Flow Cost Accounting, 以下 MFCAと略す)を環境経営1の側面で、企業の 資源生産性評価ツールとして、中国における導 入の可能性について論じるものである。 MFCAはドイツのワグナー教授が開発し、そ の後、日本で10年以上に渡り実践・経験を積み 重ねてきたものである。 このMFCAを、原価管理面において、中国 の生産プロセスに生かすことにより、隠れてい る無駄を発見し、資源生産性を大幅に向上する ことができるものと考える。

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