身長と50m走におけるカンボジアと日本の比較 -コンポンチャム州6歳~13歳の児童に着目して-

書誌事項

タイトル別名
  • シンチョウ ト 50mソウ ニ オケル カンボジア ト ニホン ノ ヒカク : コンポンチャムシュウ 6サイ~13サイ ノ ジドウ ニ チャクモク シテ
  • Comparison of Cambodian and Japanese in height and 50m-run -Focus on 6-13years old in Kompong Cham province-

この論文をさがす

抄録

発育・発達に関連するデータの充実は、健康の維持・推進に不可欠である。ところが、 多くの開発途上国では、これらに関連する情報が充分に存在しない状況である。これらの 多くが、他国からの開発援助を受け生活基盤の充実を図ろうとしている段階である。本件 の対象国(カンボジア)では、長く続いた内戦の結果、教育が荒廃してしまった。筆者ら は当該国おいて、体育科教育の再建を目的に当該国教育省担当部局を通じての教育支援活 動を続けている。一連の活動の中でカンボジア児童・生徒の発育・発達状況を把握するこ とを目的に体格測定、体力テストの普及活動を進めている。本研究はカンボジア児童の 体格及び体格と体力発揮との関連を日本の同世代と比較することで、その特徴を見出すこ とを目的とした。 対象は当該国中央部コンポンチャム州で生活する6歳~13歳の児童1,052名(男子:532 名、女子:520名)であった。調査内容は、体格項目として身長、体重、体力項目として6 項目(本研究では50m走のみを採用した)を実施した。これらのデータと文部科学省の公 表データとの比較を行った。その結果、以下のような知見を得た。 体格では男女ともにカンボジア児童が日本の児童よりも劣っており、体力(全身パワー) においても同様の傾向であった。一方、体格(身長)から見た体力発揮において、男子で は両者に差が認められず、女子ではカンボジア児童が日本の児童よりも劣っていた。 即ち、カンボジアの男子児童は日本の同世代と比べて体格の発育は好ましくないが、身長 あたりの体力発揮はより上手になされていることが考えられた。

Article

収録刊行物

  • 国際経営論集

    国際経営論集 43 157-163, 2012-03-31

    神奈川大学経営学部

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ