少子高齢社会における最適な公的介護保険の規模

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  • ショウシ コウレイ シャカイ ニ オケル サイテキ ナ コウテキ カイゴ ホケン ノ キボ

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抄録

本稿は、少子高齢社会における最適な公的介護保険の規模を考察することを目的とする。具体的には、現実の経済状況から求めたパラメータを用いて、数値計算を行い、若年世代と老年世代に対する介護保険のための負担をどの程度に設定することが社会厚生の観点から望ましいのかを考察する。分析の結果として、次のことが明らかになった。小国開放経済においては、現実的な経済に基づいたパラメータの下では、老年世代に対する負担を増やして、若年世代に対する負担を減らすことが社会厚生の観点から望ましいことが明らかとなった。閉鎖経済においても、老年世代に対する負担の増加によって、社会厚生が増加する。さらに1 人当たり資本蓄積が増えるので、賃金所得を増やし、その効果を通じて社会厚生を増加させることが分かった。以上より、現在の介護保険制度の世代間負担比率を見直すことは社会厚生の観点から妥当であることが明らかとなった。

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