援助的な電子コミュニティの形成と崩壊過程 : “ひだまり"を事例とする検討

DOI HANDLE Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Formation of a supportive electronic community and process of its collapse : Examination based on the case of the “Hidamari"
  • エンジョテキ ナ デンシ コミュニティ ノ ケイセイ ト ホウカイ カテイ ヒダマリ ヲ ジレイ ト スル ケントウ
  • エンジョテキ ナ デンシ コミュニティ ノ ケイセイ ト ホウカイ カテイ ヒダマリ オ ジレイ ト スル ケントウ

この論文をさがす

抄録

本研究は、電子コミュニティの援助的な機能に着目し、自助グループにおける援助的な機能の成立状況を明らかにすることを目的としている。高齢者の家族介護者に対する支援を意図して開設されたWWW掲示板を事例とし、44ヶ月に及ぶ7,162件の書き込み記録を分析した。その結果、電子コミュニティにおいては、構成員の同質性に基づく共感的な書き込みにより、帰属意識の強いコミュニティが形成されることが明らかになった。電子コミュニティにおける援助行動は、仮想チームともいえる協働関係で提供されることが多く、情緒的援助にとどまらず対面的な関係を伴う手段的援助に及ぶ場合もあり、自助グループを電子コミュニティで形成することの効果が明らかになった。しかし、オフ会という対面的なコミュニケーション機会が、CMCで成立している電子コミュニティの異質性を高め、このコミュニティの崩壊をもたらす危険性をもっていることも、電子コミュニティの崩壊過程の分析により示唆された。

収録刊行物

  • 対人社会心理学研究

    対人社会心理学研究 4 21-30, 2004

    大阪大学大学院人間科学研究科対人社会心理学研究室

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ