子どもの心理療法の研究法の必要性に関する一考察 : 事例研究の歴史とその展望

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  • Considering the necessity of the research method in child psychotherapy-History and prospects of the concept of case study-
  • コドモ ノ シンリ リョウホウ ノ ケンキュウホウ ノ ヒツヨウセイ ニ カンスル イチコウサツ ジゼン ケンキュウ ノ レキシ ト ソノ テンボウ
  • コドモ ノ シンリ リョウホウ ノ ケンキュウホウ ノ ヒツヨウセイ ニ カンスル イチ コウサツ ジレイ ケンキュウ ノ レキシ ト ソノ テンボウ

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抄録

この論文は,子どもの心理療法の研究法について検討し,そこで必要とされるものを示すことを目的としている。現代の子どもの置かれている状況と,子どもを支える制度は大きく変化している。その中で,子どもの心理療法が子どもを支援するための有効な資源であることを主張するために,研究によって外部に伝えていく事が求められるだろう。本論文では,まず心理療法の研究として広く用いられてきた事例研究を臨床心理学以外の学問から問い直す。これまで事例研究は普遍性や厳密性から批判を受けることがあった。しかし,社会学や心理学が量的な研究から質的な研究にも光を当てるというシフトをしていて,現実の主観と主観の重なりを忠実に記述する事例研究も科学の一つと考えられるだろう。しかし,その検証のためには臨床心理学も他の分野の研究法から学び,外的な量的・質的な尺度を利用する必要があると考えられる。そこで日本よりも先駆的なイギリスの子どもの心理療法の研究の試みを紹介し,日本の子どもの心理療法の研究法の新たな展望を示す。

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