歴史を踏まえ、この先に生きる社会心理学研究の展開を目指すためになにをなすべきか

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タイトル別名
  • How to develop future creative social psychology studies that are based on history
  • レキシ ヲ フマエ コノ サキ ニ イキル シャカイ シンリガク ケンキュウ ノ テンカイ ヲ メザス タメ ニ ナニ ヲ ナス ベキカ

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抄録

社会心理学は、われわれが生活する社会的な環境に含まれているほぼすべての要因とかかわる総合的な科学である。基礎的な要因の把握を踏まえながら、現実生活の出来事に働く法則性を説明し、背景にある原理を探り、生活の実践的な工夫を促し、適応的に行動する方法を人びとに提供する。目指される目標は他者との適応的な関係を築くことであり、相互協調的な社会を築くこと―well-being―こそが、心がけられなければならない。日々の生活シーンは、それぞれに研究の興味を誘うものである。そのために、社会心理学の研究はえてして、断片的な、一時的な現象を列挙するだけに終始しがちなこともあるが、時間的展望をもった上での長く持続する社会を支える研究の展開こそが求められよう。社会心理学の研究動向を踏まえ、社会心理学は社会にどのように活かされてきたのか(あるいは、社会の期待に応えられていなかったかも含め)、これから先を見通しながら、価値ある研究とは何か、われわれは何を求めていくべきかについて、考える必要がある。社会心理学は、これまでも関連諸科学の進展と結びつきながら変化してきている。安易に耳目を引くのではなく、どのような人間観、社会価値を踏まえているのかが研究として重要であろう。Reality があり、かつ、個人、社会のwell-being を高めていくための研究展開の方法、課題を追究すべきである。

収録刊行物

  • 対人社会心理学研究

    対人社会心理学研究 10 1-32, 2010

    大阪大学大学院人間科学研究科対人社会心理学研究室

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390572174241668736
  • NII論文ID
    120004843871
  • NII書誌ID
    AA11550166
  • DOI
    10.18910/9681
  • HANDLE
    11094/9681
  • ISSN
    13462857
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
    • CiNii Articles

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