多元的グローバリゼーションと「第三の道」 : ネオリベラリズムに抗する社会学

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タイトル別名
  • Multiple globalization and 'the Third Way' : Sociology against neoliberalism
  • タゲンテキ グローバリゼーション ト ダイ3 ノ ミチ ネオリベラリズム ニ コウスル シャカイガク

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抄録

本稿では、リスク社会論がいかにしてグローバリゼーションと「第三の道」の問題に貢献できるのかを検討する。グローバリゼーションの過程では、福祉国家はエコロジカルなリスク、新たなタイプの排除、ネオリベラリズムの問題など現代の社会変化にはついていけないのである。現在、アンソニー ・ギデンズやピエール・ブルデュー、ウルリッヒ・ベックのような著名な社会学者たちはグローバリゼーションとネオリベラリズムの挑戦に取り組んでいる。ブルデューはグローバリゼーションをネオリベラリズムと同一視する一方で、ベックは「グローバリゼーション」をネオリベラリズムのイデオロギーである「グローバリズム」と区別している。グローバリゼーションは多元的な(エコロジー、政治、市民社会)レベルで発展しつつあり、経済的グローバリゼーションに還元すべきではない。国民国家の物質的基盤を破壊しつつある世界市場の支配に抗して、ベックは「市民労働」と「トランスナショナル国家」の概念を提起している。しかし、この提案はEUの構築を前提としており、財政問題は依然として解決されていない。

収録刊行物

  • 年報人間科学

    年報人間科学 20-2 341-358, 1999

    大阪大学人間科学部社会学・人間学・人類学研究室

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