多文化教育が持つジレンマについての一考察

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  • An Analysis of Inherent Dilemma in Multicultural Education
  • タブンカ キョウイク ガモツ ジレンマ ニツイテノ イチコウサツ

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抄録

論文

多文化教育は集団による文化の差異に注目する教育理論であり、実践である。その目的は、主流ではない文化集団を不利な社会的立場に追いやるシステムや社会意識、および権利の不平等を是正することである。多文化教育は現行の教育のあり方に対して相対的な視点を提示するとともに、それを再構築するための新たな枠組みを提示する。が、このような集団ベースの理論に違和感を持つ個人や集団に強い帰属意識を持たなくなった個人の存在が認識されるようになるにつれて、「集団内部においては個のレヴェルの多様性を抑圧する可能性がある」という多文化教育のジレンマが批判的に議論されるようになってきた。本稿では、多文化主義や多文化教育に対してこのような視点から整理を行い、上記のジレンマに直面しながらも、なお集団を前提に語ることの必要性およびその限界を考察する。その際、「多様性教育」が有効なアイデアを提供すると思われるので、その考え方を紹介する。

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