<特集論文>社会運動と集合的暴力--アッサムの反外国人運動と「ネリーの虐殺」を事例に

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タイトル別名
  • Social Movements and Collective Violence: A Case Study of the Nellie Massacre and Anti-Foreigners' Movement in Assam

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抄録

本稿では、一見突発的に生じるように見える集合的暴力 (暴動) が大規模な社会運動や政治的変動に伴って発生することに注目し、実際に暴力に参加する民衆と運動指導者の間の相互作用を分析した。具体的には、1983年のアッサム州における州議会選挙の際のネリー村付近の暴動を事例にあげ、暴動参加者と運動指導者の利害が一致した際に暴力に至る過程を検証した。ネリー事件においては一見運動指導者の関与は薄いように見えるが、運動のイデオロギーが暴力の際の敵味方を分ける対立軸を設定し、標的となる他者への迫害を正当化したことは重要である。同時に、運動で提起された問題の解決よりも、会議派政権の樹立を優先し、選挙による暴動発生の可能性を過小評価した連邦政府の責任を論じた。集合的暴力の分析においては、民衆レベルの意思決定過程も重要であるが、同時に暴動を可能にする政治のあり方や運動指導者の責任を明らかにすることも必要である。

収録刊行物

  • 現代インド研究

    現代インド研究 2 21-34, 2012-01

    人間文化研究機構地域研究推進事業「現代インド地域研究」

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キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390853649769787392
  • NII論文ID
    120005122145
  • NII書誌ID
    AA12520400
  • ISSN
    21859833
  • DOI
    10.14989/167513
  • HANDLE
    2433/167513
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
    • CiNii Articles
    • KAKEN

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