Abstract
本稿では、分析的伝統に立脚する現代の倫理学、とりわけリベラリズム政治哲学は障害者を公正に扱いえないという通説を検討する。たとえば、ロールズの社会契約論は正義の名にふさわしいまっとうな社会についての構想から障害者を排除していると強く批判されてきた。本稿の目的は、このリベラリズム政治哲学と障害学を架橋する可能性を探究することにある。本稿は以下の4節に分けられる。まず、障害者への財の分配をめぐって戦わされたロールズとセンの論争を瞥見する。次に、ロールズの政治的人格論こそが政治領域で障害者を不公正にあつかってしまう原因であると示したい。3節では、障害者の政治的・道徳的地位を基礎づけるには、自身の「ケイパビリティ・アプローチ」がロールズ正義論への最善の代替案だというヌスバウムの主張を跡づける。最後にケイパビリティ・アプローチが直面せざるをえない二つの問題を指摘する。
Journal
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- 応用倫理
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応用倫理 3 34-44, 2010-03
北海道大学大学院文学研究科応用倫理研究教育センター
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390572174747988480
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- NII Article ID
- 120005208920
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- HANDLE
- 2115/51831
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- ISSN
- 18830110
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- IRDB
- CiNii Articles
- KAKEN
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- Abstract License Flag
- Allowed