WTO体制下のCAP改革とEU農業の変化  [in Japanese] The CAP Reforms and Changes of EU Agriculture under WTO System  [in Japanese]

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WTOが成立してから、世界経済のグロバール化は一段と進んだが、GATT体制下であまり進まなかった農産物貿易の自由化と強化される一方の先進国の国内農業支持政策はどう変わったのか。そして数年前に終わったはずのWTO次期交渉が、いまだ交渉妥結の目途が立たず、交渉自体が停止状態にあるのも大きな問題である。確かにGATT期に比べてWTO成立後に加盟国の数は大幅に増え、構成も大きく変わった。メンバー国間の利害関係の対立がより複雑になり、意見の集約が一層難しくなったのは事実である。しかし、原因はそれだけにあるとはとても言えない。現行のWTOルールやその延長線にある次期ラウンド交渉の枠組みに問題がないだろうか。本稿では、WTO前後のEU共通農業政策CAPの改革と域内農業生産と農産物貿易への影響を分析してみたい。周知のように、EUはGATTのウルグアイラウンド農業交渉を主導した2大プレーヤーの片方であり、そのCAPのマクシャリー改革も当時停滞状態にあった農業交渉を大きく前進させた一大要因であった。そのCAPは1993年のマクシャリー改革後に、さらにAgenda2000改革と、2004年からの中間見直しを意味するMTR(Mid-TermReview)改革を経て、中身が大きく変わった。国際の政治・経済舞台では常にリーダー的な存在であり、GATTウルグアイラウンド農業交渉時にも大きな役割を果たした実績があるだけに、EUのCAP改革は国際的によく注目され、また多く紹介されている。しかし、既存の研究はCAP改革の内容紹介が多いものの、改革の域内農業生産と農産物貿易に与えた影響やよりグロバール的な視点からCAP改革の性質とその評価に関する研究はあまりないのが現状である。WTOの次期農業交渉が再度暗礁に乗り上げた今、CAP改革の内容とその意義に関する検討から、その交渉を前進させるヒントが得られるかもしれない。

Journal

  • 生物資源経済研究

    生物資源経済研究 (18), 103-130, 2013

    京都大学大学院農学研究科生物資源経済学専攻

Keywords

Codes

  • NII Article ID (NAID)
    120005244289
  • NII NACSIS-CAT ID (NCID)
    AN10529053
  • Text Lang
    JPN
  • Article Type
    journal article
  • Journal Type
    大学紀要
  • ISSN
    1341-8947
  • NDL Article ID
    024467310
  • NDL Call No.
    Z18-B433
  • Data Source
    NDL  IR  JASI 
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