機械地床処理を導入したコナラ天然下種更新試験地における14年後の更新状況

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タイトル別名
  • Regeneration of Quercus serrara 14 years after forest cutting by the seed-tree method and mechanical ground treatment
  • キカイチショウ ショリ オ ドウニュウ シタ コナラ テンネン ゲス コウシン シケンチ ニ オケル 14ネンゴ ノ コウシン ジョウキョウ

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抄録

伐採から14年経過したコナラ天然下種更新試験地を対象に,樹種組成とコナラの成長経過を調べた。そして,伐採後3年目で70,000本/haのコナラ実生が定着した更新面が,伐採14年後の時点でコナラ優占林分へ推移しているかを考察した。刈り払い区はホオノキやクリの再生林となっており,コナラ更新木は現存しなかった。一方,機械処理区においてコナラ更新木の本数密度は1,589本/haと現存樹種の中で最も高かった。しかし,胸高断面積に基づくコナラ更新木の相対優占度はホオノキやミズキのそれより低かった。機械処理区における樹高上位30%の平均で算出した優勢木平均樹高は5.9mであり,コナラで優勢木に該当するものは54本/haと非常に少なかった。また,樹幹長成長量が最大だったのはホオノキであり,次いでミズキとコナラがほぼ同程度だった。機械処理区では,実生定着段階での刈り出し,さらに実生定着後の初期保育がおこなわれなかったことで,ホオノキやミズキをはじめとする他樹種との競合が激しくなり,コナラ更新木の成長が抑制されたと考えられる。コナラ更新木を伐採14年後に十分に確保するには,生育状況に応じた刈り払いにより,種間競合を緩和する必要がある。

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