都市の肖像十九世紀の小説においてパリを描くということ

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  • トシ ノ ショウゾウ 19セイキ ノ ショウセツ ニ オイテ パリ オ エガク ト イウ コト

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抄録

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都市論は,おそらくベンヤミンを発端に,二十世紀の世界中の都市で脚光を浴びるようになった研究分野であろう。文学的な,あるいは社会学的なアプローチによって,あまたの都市の形成過程が浮き彫りにされていくのは,研究者のみならず,どんな読者にとっても刺激的な知的冒険である。ジャンヌ・ガイヤールや,ドナルド・J・オールセンなどは,もはや古典の域に入る基本書であると言えよう。ごく最近では,建築学の陣内秀信氏と「感性の歴史学」で知られるアラン・コルバン氏の対談が設けられ,江戸とパリの比較がなされた。二つの都市をめぐって,その地理的特徴,歴史,住人のメソタリティーや施政者の政策など,多面的な議論が展開された。たとえば,江戸は,城下町であり,城を基準に発展していった都市であるのに対し,パリは,シテ島を発祥の地に持ち,教会を中心に発展していった。

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