幼若血小板比率と染色体異常の関連性について-特に, 血液疾患を中心に-

書誌事項

タイトル別名
  • Regarding the relation between IPF (immature platelet fraction) and chromosomal abnormality, mainly hematological disorder

この論文をさがす

抄録

幼若血小板比率(immature platelet fraction:IPF)は多項目自動血球分析装置XE-2100で測定され,網血小板を反映すると考えられている.今回,IPFと染色体異常との関連について検討した.対象は,骨髄穿刺を行った333例の444検体を用いた.染色体異常は92検体(20.7%) に認められ,染色体異常を認める検体のIPFは7.6±6.9%,染色体異常を認めない検体の4.9±5.7%に比し有意に高値であった(p<0.001).染色体異常の出現率は,IPF5%未満15.5%,5~10%未満22.0%, 10%以上45.2%と増加した.特に,IPF10%以上の骨髄異形成症候群, 骨髄増殖性疾患,悪性リンパ腫では,高率に染色体異常が認められた.さらに,構造異常と数的異常を認める検体のIPFは, 10.0±8.4%と高値であった.以上の所見より,IPF 10%以上の検体では高率に染色体異常が認められ,染色体常を捉えるマーカーとしてIPFが有用である可能性が示唆された.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ