戦間期ルーマニア議会政治の隘路

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  • セン カンキ ルーマニア ギカイ セイジ ノ アイロ
  • The Impasse of Parliamentarism in Interwar Romania

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抄録

ルーマニアも他のヨーロッパ諸国と同様に,第一次大戦中・大戦直後に大きな政治的・社会的変動(領 土・人口の倍増,土地改革・男子普選導入)を経験した。にもかかわらず,戦前の支配体制が,人的連続 性のみならず,その構造や作動様式の面でも驚くべき持続性を見せたところに,戦間期ルーマニア政治史 の大きな特徴がある。本稿では,戦後における一定の変質を踏まえ,このような体制を「再版」寡頭的議 会制と呼ぶ。しかし,驚異的復元力を見せた寡頭的議会制も,1930 年代には徐々に腐蝕が進行し,機能不 全に陥ることになる。確かに,このプロセスを促進したのは国王と軍団運動という議会制に敵対する勢力 であったが,二大政党を中心とする議会・政党勢力も,具体的構想や刷新の意欲を欠き,分岐点となる局 面で多くの判断ミスを犯すことによって,議会制のいっそうの空洞化や腐蝕を招いた。この結果,大衆政 治の局面に差し掛かったまさにその時に,「再版」寡頭的議会制のみならず,議会政治・政党政治それ自 体も,終焉を迎えることになったのである。

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