クック諸島ラロトンガ島カレカレ湿地の花粉分析

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タイトル別名
  • Pollen analysis of Karekare Swamp in Rarotonga, Cook Islands

抄録

南太平洋のクック諸島のラロトンガ島は、サンゴ礁に固まれた周囲32km、海抜652mの火山島である。ラロトンガ島北東部に位置するカレカレ湿原において400cmの堆積物を採取し花粉分析を行った。樹木花粉ではサガリバナ属、ヤシ科、タコノキ属花粉が優占し、非樹木花粉ではイネ科、カヤツリグサ科、単条溝型シダ胞子、三条溝型シダ胞子が優占する。サガリバナ属の急減とイネ科・カヤツリグサ科の急増、さらに畑作亜雑草のアカザ科や栽培植物由来と考えられるウリ科やアズキ属などの出現から、約680BPに確実な人類の痕跡が見られた。現在、ゴバンノアシ(サガリバナ属)が沿岸部に優占していることを考慮すると、ゴバンノアシ林が破壊され、その跡にイネ科やカヤツリグサ科、シダ類の草本やP. tectoriusが侵入し、草地が広がったとみられる。また約3700BPあたりでタコノキ属と単条溝シダ胞子の増加がみられる。これを人為的な植生変化と考えると、ポリネシア人がこの時期にラロトンガ島に定住した可能性がある。

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