帝王切開中のアナフィラキシーショックを契機に診断に至ったラテックス・フルーツ症候群の1例

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タイトル別名
  • A case of latex-fruit syndrome diagnosed after anaphylactic shock during cesarean section

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抄録

ラテックスはバナナ、アボガドなどの特定の食物に含まれる蛋白質と交差抗原性を示すことがあり、ラテックスアレルゲンに感作されると即時型アレルギーを起こすことがあり、ラテックス・フルーツ症候群と呼ばれることがある。今回我々は、前2回の帝王切開時や妊娠中の内診や経腟超音波検査施行時におけるラテックス使用では無症状であったが、帝王切開中に使用したラテックス手袋によるアナフィラキシーショックを発症し、その後の検査でラテックス特異IgE抗体価と果物の特異的IgE抗体価の上昇が確認され、メロンでの食物アレルギーが発覚した症例を経験した。果物アレルギー、アトピー体質、職業上での抗原への暴露などについて詳細な問診を行うことは、ラテックス・フルーツ症候群の診断に有用であり、アレルギー発症を防ぐ上で重要であるため、積極的に行う必要がある。また、ハイリスク群ではラテックスフリー環境下での対応に努めなければならないと考える。

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