ジルコンの迅速分離手法とU-Pb年代測定への適用例

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  • 北野 一平
    九州大学大学院比較社会文化学府日本社会文化専攻地域資料情報講座
  • 小山内 康人
    九州大学大学院比較社会文化研究院環境変動部門地球変動講座
  • 中野 伸彦
    九州大学大学院比較社会文化研究院環境変動部門地球変動講座
  • 足立 達朗
    九州大学アジア埋蔵文化財研究センター
  • 吉本 紋
    九州大学大学院比較社会文化学府日本社会文化専攻地域資料情報講座

書誌事項

タイトル別名
  • Rapid techniques for zircon separation and the application for U-Pb dating
  • ジルコン ノ ジンソク ブンリ シュホウ ト U-Pb ネンダイ ソクテイ エ ノ テキヨウレイ

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抄録

本稿では、ジルコンの迅速分離手法とLA-ICP-MSを用いたU-Pb年代測定の実例を報告する。ジルコンは岩石中には副成分鉱物として産するため、その量的な問題から多くの場合、試料からの分離が必要となる。ジルコンの分離には、現在においても重液を用いた分離法が一般的である。しかしながら、重液の使用に対する非効率性や人体に及ぼす危険性、高コストが指摘されてきた。そこで、小論ではこれらの問題を解決するために、重液を用いないジルコンの迅速分離手法を考案した。本手法では、粉末試料をビーカーや時計皿による水簸および椀掛けをすることでジルコンを30分以内に抽出することが可能であり、重液分離と比べると極めて迅速で効率よく、低コストで安全な手法といえる。ジルコンはU-Pb年代測定のほかに、包有物解析や化学組成から様々な地質事変を制約できる鉱物である。本手法は膨大なジルコン分析に対応した地質学的研究に非常に有用な手法であるとともに考古学などの他分野への応用も期待される。

収録刊行物

  • 比較社会文化

    比較社会文化 20 1-10, 2014-03-25

    九州大学大学院比較社会文化学府

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