インド・ヒマラヤ西部、ラダーク山脈の氷河湖の特徴

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タイトル別名
  • Characteristics of Glacier Lakes in the Ladakh Range, Western Indian Himalayas

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抄録

日本の陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)に搭載された PRISMとAVNIR-2の光学センサによって2007-2010年に撮影された高分解能衛星画像を用いて, インド北西部のラダーク山脈にある195の氷河湖(0.0001km[2]以上)を確認した. そのうち0.001-0.05km[2]の氷河湖数が93%を占めており, 小規模な氷河湖が分布する地域である. 最大の氷河湖(0.25km[2])はラダーク山脈南東部の北側斜面に位置する. 主要な氷河湖のタイプはモレーンダム湖である. ラダーク山脈の氷河湖の最低位高度は, 山脈の北西端(4860m)と南東端(5560m)で大きく異なる. 1962年-1980年に撮影された米国軍事偵察衛星Corona KH-4A, KH-4B, Hexagon KH-9の衛星写真, その後のJERS-1(衛星)/OPS(センサ名), SPOT4, Landsat7/ETM+, Terra/ASTER, ALOS/PRISM, ALOS/AVNIR-2の衛星画像の分析により, ラダーク山脈北西部のドムカル谷流域に分布する13の氷河湖の多くは1960年代以降に出現したことがわかった. ドムカル谷最大の氷河湖No.3は, 1965-2000年に0.0012km[2]/年, 2000-2010年に0.0033km[2]/年で拡大を続けており, 2000年以降の拡大速度は大きい. ドムカル谷上流のタベイ・ルンパ谷の氷河前面には, 2011年に新たに出現した氷河湖No.13を確認した. この氷河湖は2010年10月28日の衛星画像ではまだ存在していないが, 2011年の6~8月のわずか2カ月間で面積0.0398km2, 体積528, 000m3, 最大水深28mまで発達した. この氷河湖はドムカル谷で2番目に大きく, 現地調査や継続したモニタリングが必要である.

収録刊行物

  • ヒマラヤ学誌 : Himalayan Study Monographs

    ヒマラヤ学誌 : Himalayan Study Monographs 13 166-179, 2012-05-01

    京都大学ヒマラヤ研究会・京都大学ブータン友好プログラム・人間文化研究機構 総合地球環境学研究所「高所プロジェクト」

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390290699816747264
  • NII論文ID
    120005466215
  • NII書誌ID
    AN10392447
  • ISSN
    09148620
  • DOI
    10.14989/hsm.13.166
  • HANDLE
    2433/186117
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
    • CiNii Articles
    • KAKEN

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