間接受身に関する通言語学的一考察

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  • Reexamining Japanese Indirect Passives from a Cross-linguistic Perspective
  • カンセツ ウケミ ニ カンスル ツウゲンゴガクテキ イチコウサツ

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抄録

本稿は、日本語の間接受身の現象を通言語学的データと比較、分析したものである。間接受身の特殊性として、(1)持ち主の受身、(2)自動詞の受身、(3)被害の意味という3つの論点に絞り考察した。まず、「持ち主の受身」に関しては他の言語にも多く見られる現象であると確認された。次に「自動詞の受身」は、人称と非人称受身に分類され、日本語には見られない非人称の自動詞ベースの受身の方が通言語学的には多く存在し、日本語やインドネシア語に見られる人称型は特殊であると見なされた。最後に、間接受身に特徴づけられる被害性に関しては、他の言語において、間接受身のみならず直接受身にも多く表れる現象であることを指摘し、被害性は受身構文そのものの特徴のひとつではないかと結論づけた。

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