前立腺癌の再燃に対する副腎性アンドロゲンDHEAと前立腺間質細胞の役割

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前立腺癌の再燃時には, 副腎性アンドロゲンDHEAから代謝されたDHTがandrogen-hypersensitiveとなった前立腺癌に作用し, 増殖を促進させていると考えられる. われわれは, DHEAが前立腺由来間質細胞と癌細胞により効率的にDHTに変換され, アンドロゲン受容体を活性化し, 前立腺癌の増殖に関与する可能性を示した. さらにdutasterideがDHTへの変換を阻害しうることも示した. CAB療法中の前立腺癌の再燃には様々な機序が複雑に絡み合っていると考えられるが, 副腎性アンドロゲンの関与もその1つである. 前立腺癌のホルモン療法においてLH-RH agonist単独投与により, 血清中のtestosterone(T)の濃度は治療前の5~10%となることから, 副腎性アンドロゲンが5~10%の残存アンドロゲンの起源といえる. 最近, 副腎でのDHEAの合成に関与するC(17, 20)-lyaseの阻害剤abirateroneが開発されつつあるが, これを用いたPhase I studyにおいて, 50%以上の再燃前立腺癌の症例で, PSA低下が確認されている.

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