中国自動車企業の海外進出のパターンと戦略―「周辺から中心へ」の攻めと「異質競争」の徹底―

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  • チュウゴク ジドウシャ キギョウ ノ カイガイ シンシュツ ノ パターン ト センリャク : 「 シュウヘン カラ チュウシン エ 」 ノ セメ ト 「 イシツ キョウソウ 」 ノ テッテイ

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抄録

中国自動車企業は海外進出を開始した.先進国に比べて強い国際競争力を持たないとされる中国の自動車企業はなぜ,海外市場に進出するか.その海外進出の背景は何であろうか.また,先進国の自動車強豪が世界自動車市場での勢力基盤をすでに築き上げたなかで,中国企業は,どのような競争戦略によって海外市場を開拓するのか.本稿は上記の諸問題関心を持ちながら,中国自動車企業の海外進出背景と戦略を中心に分析する.本稿の分析を通じて興味深い点が発見された.(1)中国自動車企業の海外進出は現在,「輸出から現地生産」へシフトする最中にある;(2)中国自動車企業は,アクセスしやすく進出ハードルの低い周辺市場に照準をあわせて集中進出する立地戦略をとっている.(3)中国自動車企業は「穏健で,コントロール可能,パートナーの力を最大限利用」という現実的海外進出戦略を徹底追求している.(4)中国自動車企業は徹底した「異質競争」の戦略を採っている.(5)中国自動車企業は,国際競争優位をまだ十分に持たないうちに海外へ進出すると同時に,事業開始の最初段階から強いグローバル志向を有する.

収録刊行物

  • 経済学季報

    経済学季報 64 (1), 1-34, 2014-07-24

    立正大学経済学会

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