東北地方太平洋沖地震による大津波の襲来を受けた東北太平洋沿岸の海岸マツ林の土壌環境 : 津波浸漬7ヶ月後の現地調査から  [in Japanese] Soil conditions in coastal pine forests damaged by the Heisei-Sanriku Mega-tsunami following Tohoku along the eastern Pacific coast of Japan 2011  [in Japanese]

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Abstract

2011年3月の平成三陸大津波が海岸林土壌に与えた影響を検討するため東北沿岸の津波被災マツ林を対象に土壌調査を行った。津波は(1)リター層と林床植生の流失、(2)海砂による堆砂層の形成、(3)堆砂層下へのA層の埋没等、海岸林土壌に形態的変化をもたらした。海岸林土壌は一般に腐植や養分に乏しい砂質な未熟土が多いことから、津波によって断面形態は変化していなかったと推察される。土壌化学性については、埋没A層(2A層)でのpH(H2O)上昇が顕著に認められた。電気伝導度や塩基交換容量、交換性塩基含量には明瞭な影響を認めなかった。これは海岸林土壌が砂質であることによる。一般に海岸林土壌のpH(H2O)は腐植が多量に混入する土壌表層で低く、下層で高い。pH≧8の海水浸漬や海水・海塩を含む海砂堆積が海岸林土壌に大量の強い塩基類をもたらし、リター分解に伴って生成される土壌中の有機酸を中和したため、土壌pH(H2O)は上昇したと考えられる。津波被害前に表層土壌であった2A層にはマツや林床植生の根系が発達し養分吸収を助ける根圏微生物の活動層が認められた。2A層のpH(H2O)上昇はマツの根やそれと共生関係にある菌根菌等の微生物相に著しく影響し、海岸マツ林に針葉変色や衰弱、萎凋、枯損等被害をもたらしたと考えられた。海岸林再生のため植栽する苗木への津波浸漬の影響を抑えるには、土壌環境や理化学性を把握した上で生物活性の高いA層の化学性改善を図る必要がある。

Journal

  • 森林総合研究所研究報告 = Bulletin of the Forestry and Forest Products Research Institute

    森林総合研究所研究報告 = Bulletin of the Forestry and Forest Products Research Institute 12(1), 49-66, 2013-03

    森林総合研究所

Codes

  • NII Article ID (NAID)
    120005580477
  • NII NACSIS-CAT ID (NCID)
    AN10164318
  • Text Lang
    JPN
  • Article Type
    Journal Article
  • ISSN
    0916-4405
  • NDL Article ID
    024576932
  • NDL Call No.
    Z18-455
  • Data Source
    NDL  IR 
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