スギにおける引き倒し試験および力学モデルを用いた風害に強い樹形の解明  [in Japanese] Estimation of the wind-resistant Sugi (Cryptomeria japonica) tree shape by mechanical model based on tree-pulling experiments  [in Japanese]

Access this Article

Search this Article

Abstract

本研究は風害の軽減を目的とし,スギの引き倒し試験を行うことにより根系の抵抗力を調査するとともに,単木としての力学モデルを用いて根返りが発生する時の風速(限界風速)を推定し,風害に強い樹形や林分について検討した。平坦な試験林における引き倒し試験の結果,根系の抵抗力は胸高直径や地上部の重量などと相関が高く,胸高直径のおよそ3乗に比例すること,根系が浅いほど根返りを起こしやすいことがわかった。また,樹幹が円錐形であれば樹高のおよそ1/3より下側の幹にはほぼ一定の曲げ応力が作用し,完満な樹形ほど応力のピークが根元へ移動するため根返りが発生しやすくなることなども明らかとなった。傾斜の異なる試験林の引き倒し試験では,斜面における根系分布の偏りから,斜面上方に引き倒すよりも,下方や側方に引き倒す方が根系の抵抗力が大きく,傾斜地では引き倒す方向により根系の抵抗力が異なることが明らかとなった。次に,これら引き倒し試験により得られた根系の抵抗力の推定式を,単木としての力学モデルに組み込み,様々な樹形の立木の限界風速を推定した。その結果,本モデルは実際に発生した風害と適合しており,限界風速は形状比や樹冠長率と高い相関があることがわかった。形状比が低いほど,また樹冠長率が低いほど限界風速は高くなるが,樹冠長率が低い個体は形状比が高いことや樹木の健全性なども考慮すると,現実的に風害に強い樹形は形状比75以下,樹冠長率30~60%程度が望ましいと結論付けられた。施業による限界風速の変化を検討し,風害のリスクを低く抑えながら限界風速を高めるためには,従来どおりこまめに適度な間伐を繰り返すことが有効であることを明らかにした。

Journal

  • 福岡県森林林業技術センター研究報告

    福岡県森林林業技術センター研究報告 (14), 17-45, 2013-03

    福岡県森林林業技術センター

Codes

  • NII Article ID (NAID)
    120005581613
  • NII NACSIS-CAT ID (NCID)
    AN10523851
  • Text Lang
    JPN
  • Article Type
    Journal Article
  • ISSN
    1341-8092
  • NDL Article ID
    024846555
  • NDL Call No.
    Z18-B429
  • Data Source
    NDL  IR 
Page Top