グロ-バル授業の舞台裏 ― 教室外での日本語学習の取り組みの分析 ―

機関リポジトリ Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • グロ-バル ジュギョウ ノ ブタイウラ : キョウシツ ガイ デ ノ ニホンゴ ガクシュウ ノ トリクミ ノ ブンセキ
  • The Backstage of the Global Lecture ― How Can We Create the Conditions within Which Students Will Motivate Themselves?―

この論文をさがす

抄録

type:text

本稿では、日本語能力を育成する1つの方策として実践したプレゼンテーション活動の遂行過程で学習者(留学生)がどのような学習を行ったかに着目し、日本語学習に果たした役割を考察した。特に教室外でどのような作業を進めたかを活動終了後に学習者が書いた省察レポートの記述を基に明らかにした。その結果、主に以下のように活動に取り組んだことが分かった。1)興味関心のあるテーマを決定し、発表(作品制作)に必要な語彙、表現、情報は何かを考えた。2)チューターの助けを借りたりして自主的に作品制作を進めた。3)学習内容は各自のニーズに合わせて設定した。4)自分で選んだ方法で制作を進めた。5)できるだけ良い作品(発表)をつくることをめざした。そして、他の人の発表から、各国の事情に関する知識・情報、制作方法や発表の方法を学んだことも分かった。この活動では教師は学習者の意思決定を最大限に尊重し、作品の内容や制作方法については特別な指示はしなかったが、これらの行動から、学習者が自主的に学習活動を進め、意欲的に制作に取り組んだ様子がうかがえる。ここでは、教師の提示する言語内容というよりも、むしろ学習者自身のニーズに基づいた内容で学習が進められたと考えられる。Ushioda(1996)は、必要な学習の内容や方法を考え、最適と考えられる方法の選択を行うことで、自分の学習に責任を持つ気持ちや態度を育成できると述べている。本実践がこのような学習環境の一部を実現したと考えれば、学習意欲を高める要因の1つとなったのではないかと考えられる。

収録刊行物

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ