動詞の第二中止形が表す意味 : アスペクトと動詞のタイプに注目して

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書誌事項

タイトル別名
  • Meanings of the second non-finite form of verbs : Focusing on aspect and verb types
  • ドウシ ノ ダイ ニ チュウシケイ ガ アラワス イミ アスペクト ト ドウシ ノ タイプ ニ チュウモク シテ

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抄録

本稿は、主に以下の点を記述することを目的としたものである。①シテ形式の意味のあり方が定形動詞のアスペクトと相関している場合がある。②定形動詞のアスペクトによって意味のあり方の異なりが典型的に現れるのは、シテ形式が主体動作客体変化動詞の場合である。定形動詞が継続相の場合、シテ形式は、時間的に先行する主体動作の側面は背景化させて、主要な事象に対して〈客体の結果状態の同時性〉を表す。定形動詞が完成相の場合、二つの動作は継起的になるが、シテ形式は単に先行する動作を表すのではなく、〈主体の動作の先行性と客体の結果状態の同時性〉を表す。③定形動詞のアスペクトと時間構造の側面に関わらずシテ形式に共通しているのは、奥田(1989)が指摘しているように、定形動詞が表す主要な事象に対して、シテ形式が副次的な事象(動作や結果状態)を表す点である。特に主体動作客体変化動詞では、定形動詞が表す主要な事象を成立させるための、意図的に準備された客体の結果状態という副次的な意味が前面化する。

収録刊行物

  • 阪大日本語研究

    阪大日本語研究 27 83-108, 2015-03

    大阪大学大学院文学研究科日本語学講座

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