静岡市立芹沢銈介美術館所蔵の魚皮衣について

書誌事項

タイトル別名
  • Fish skin garment: Serizawa Keisuke Art Museum, Shizuoka, Japan

この論文をさがす

抄録

魚皮は、かつてユーラシア大陸全域の諸民族にとって生活に欠かせない材料であった。静岡市立芹沢銈介美術館所蔵の本魚皮衣はこれまですでに芹沢長介先生により紹介されているが、本論考では、主にアメリカ自然史博物館のラウファー資料との比較を元に、新たに背面文様の分類し解釈加えた。その結果、全体の文様構造は男女を表す吉祥文を図案化した晴着であること、はじめは魚皮の穴を塞ぐための単純な文様展開であったものが次第に複雑化したことなどを明らかにした。さらにこれまで注目されてこなかった左右対称に配置される「朱彩点状文」の存在を見出し、渦巻文だけに限られない文様構造も明らかにすることができた。本資料は、世界的な水準から見ても最も優れた魚皮衣の一つであることが確認できた

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ