沖縄県石垣島のカタツムリ墓起源伝説

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  • オキナワケン イシガキジマ ノ カタツムリ ボ キゲン デンセツ

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type:P(論文)

オヤケアカハチは、第二尚氏王統第三代尚真王(一四七七〜一五二六在位)の時代に活躍したとされる八重山諸島石垣島の首長の一人であった。八重山諸島与那国島の鬼虎と同様に、琉球王に命じられた仲宗根豊見親らによって討伐された十五世紀に実在した人物である。アカハチには古乙姥(クイツバ)という妻がいたとされ、アカハチが征伐された時に一緒に捕らえられて殺害されたという。石垣島には、オヤケアカハチが琉球王に命じられた仲宗根豊見親らによって討伐された話や妻の古乙姥にまつわる話が伝承されている。オヤケアカハチは琉球王府の反逆者とされたため、妻の古乙姥の遺骨は姉の真乙姥を祀る真乙姥御嶽の片隅に葬られ、人々に踏みつけられたという。古乙姥の墓はツダミ(カタツムリの意)の墓と呼ばれ、近年まで真乙姥御嶽の片隅にあったが、一九七〇年に大浜の崎原公園に移された。古乙姥にまつわる伝説は、琉球王朝の先島諸島統治をめぐる問題や南西諸島における英雄伝説の問題等を考える際にも重要なてがかりを与えてくれるものと考えられる。

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