草原地域における鉱山開発とその影響に関する一考察 : 内モンゴル自治区呼倫貝璽市を事例に

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タイトル別名
  • ソウゲン チイキ ニ オケル コウザン カイハツ ト ソノ エイキョウ ニ カンスル イチ コウサツ : ウチモンゴル ジチクコリンガイジシ オ ジレイ ニ
  • Consideration of Mines Development and its Infuluences in Grassland Areas : A Case Study of Hulunbuir in Inner Mongolia

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抄録

type:Bulletin

本論文は,内モンゴル自治区呼倫貝璽市を事例に,産業構造の変化,域内産出額,純収入,社会資本整備などの各指標に注目して鉱山開発が地域経済の発展にどのような影響を及ぼしているのかについて検討した。対象地域である呼倫貝璽市は,自治区内における牧畜業の主産地であると同時に,近年になって鉱山開発が大規模に展開している。鉱山開発は,牧畜業中心の第一次産業から工業化を基調とする第二次産業へと地域の産業構造を急激に再編してきたが,産業間の不均等性を生み出している。草原地域においては,経済発展によって域内GDP は上昇したものの,農牧民の収入はその恩恵を十分に反映されているとは言い難く,交通・教育・医療といった社会資本整備についても地域差が生じている。急速な鉱山開発は,草地資源の減少=牧畜業の停滞,鉱物資源の移出=付加価値の流出といった地域経済の成長バランスをどのように確保するのかという問題を投げかけていると同時に,産業間への波及効果や所得格差の是正,生態環境の保全など地域経済の持続性をどのように担保していくのかという課題を突き付けている。

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