慢性疾患患児を持つ母親が退院後に抱える不安

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  • Anxieties of mothers after their chronically ill children are discharged from the hospital

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抄録

本研究は、慢性疾患患児を持つ母親の退院後の不安とその特徴を明らかにする目的で、小児科病棟を退院した患児の母親10名を対象に、退院1週間後と退院1ヵ月後に2回半構成的面接を行った。分析は、Krippendorff(1980)の内容分析法を用いた。結果、退院1週間後は【病気に関する事】【患児の将来に関する事】【日常生活に関する事】の3カテゴリー、退院1ヵ月後は【病気に関する事】【患児の将来に関する事】の2カテゴリーが抽出された。両時期のデータを比較したところ、退院1週間後の母親の特徴としては、漠然とした不安を多く抱えていること、退院1ヵ月後の母親の特徴として、行動範囲が広がったことによる不安が生じることが明らかとなった。以上の結果から、退院1週間後の母親には不安を表出できる場の提供とゆっくりと話を聞くこと、退院1ヵ月後の母親には不安の解消を図るために個々のニーズに応じた情報提供や具体策の提案が必要であることが示唆された。

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