授業実践の様相 : 解釈的研究 : 生活科「しぜんの生きものたんけん」の言語的トポス (人間科学部創設10周年記念号)  [in Japanese] An Interpretative Study on the Verbal Aspect of Lesson Practice : A Case Study on the Lessons of Living Environment Studies by the Method of HATSUGENHYO and the Map of Key Words  [in Japanese]

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Abstract

筆者が取り組んでいる授業実践の様相―解釈的研究とは、その授業での学習内容の展開とコミュニケーション過程との統一的表現、及びその解釈を目指すものである。これまで、この様相―解釈的研究を、主に社会科の分野での議論を中心にした授業を対象にして進めてきた。また、生活科を分析の事例に取り上げた場合もあったが、その際も比較的、社会的な領域を主にした実践であった。そこで、今回、生活科の中でも自然領域を主な対象とした授業を取り上げ、様相―解釈的な研究方法がどの程度、適用できるのか、その可能性を検討したいと考えた。さらに、以前は同一の授業者の授業を1回のみ取り上げることが多かったが、単元内での授業を複数回、みていくことで、学習内容の展開状況を関連的に把握することも試みてみたい。現在、様相―解釈的研究では、「発言表」というツールを用いているので、以下、「発言表」の作成の手順について簡単に述べておく。発言表は基本的に、発言者名欄及び、発言状況欄からなる。発言状況欄には、授業記録上の各発言の長さを、縦の実線として記入する。本稿では授業記録での発言記録の二行分(一行…今回は34字程度)を実線の一単位分にしている。このように発言の長さを、アナログ量的に表現する。さらに、授業において用いられた「主要な言葉」(授業の展開をとらえる上でキーワードとなる言葉として分析者が判断して選んだもの)を記号化して、その右横に載せている。これらの記号は、元の言葉がイメージできるように、類似性を重視して選んでいる。ただ、抽象的な言葉など、記号化がやや難しいものもあるが、このような言葉の記号化は、分析者の「センス」が問われるところであろう。なお、一回の発言の中で同じ「主要な言葉」が複数回用いられても、一回のみ、その言葉の記号を載せている。右側の発言内容の欄には、その授業での内容展開や言語的応答関係、その子どもの思考の特性、等を示す上で、重要と思われる言葉をそのまま抽出して記載している(一欄に最大14文字)。さらに、その右側に分節ごとに使用された「主要な言葉」を、アナログ的に集計して記載する欄を設けている。表はワープロもしくはパソコンで作成するが、今回は今後の教育現場での活用可能性や、また自然科学に近い内容でもあることを考慮し、(発言同士の関係といった、緻密な表現性の面ではやや課題があるが)パソコン(Excel)にて作成した。なお、今まで授業事例の分析を積み重ねてきた結果、現在、この様相―解釈的研究は、(ギリシャ哲学の用語を借りて言えば)授業のロゴス(論理=概念)とパトス(イメージ=情念)のトポス(場=様相)を表現することもケースによっては可能ではないか、と考えるに至った。そこで今回、「発言表」に基づいて、このような授業の言語的トポスをより端的に示す図表を新たに作成して、検討してみたい。また、かつて筆者は、「発言表」による授業分析は、言葉の森の中にいる、キーワードとしての昆虫を探すようなもので、ある意味、昆虫の発見・採集に似た「苦労・楽しさ」を持つ作業であると、ある学会の課題別分科会での発表の際、比喩的に述べたことがあったが、今回は本当に色々な生きもの(を示す言葉)が授業記録のどこに存在するのか、探索することになった。

Journal

  • 西南学院大学人間科学論集

    西南学院大学人間科学論集 11(1), 25-61, 2015-08

    Seinan Gakuin University Academic Research Institute

Codes

  • NII Article ID (NAID)
    120005671975
  • NII NACSIS-CAT ID (NCID)
    AA12066985
  • Text Lang
    JPN
  • Article Type
    departmental bulletin paper
  • Journal Type
    大学紀要
  • ISSN
    1880-3830
  • NDL Article ID
    026750971
  • NDL Call No.
    Z71-J318
  • Data Source
    NDL  IR 
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