イヌにおける生体吸収性不織布からなる足場を用いた大動脈の再生と補強 : 速報のための予備的報告

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  • Regeneration and reinforcement of the aorta using scaffolds composed of biodegradable non-woven fabric in a dog experiment : a preliminary report for a rapid communication

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抄録

大動脈を再生するため、多層の管状構造の新規の血管再生足場を開発した。最内層はエレクトロスピニング法で作成したラクチド/カプロラクトン・コポリマー布のチューブである。メルトブロウ法あるいは編んで作成したラクチド/カプロラクトン・コポリマー及びポリラクチド布のロールが最内層の上に巻いてある。吻合部の外層はメルトブロウ法で作成したポリグリコール酸布で覆われている。この多層性の血管用足場をイヌの大動脈に移植した。経時的な組織再生と移植片の分解の詳細をラットとイヌにおいて観察した。その結果、10月後には本来の大動脈と殆ど同じ構造の大動脈が再生された。最初はそれ自身はポリマーの布であった外側ポリマー布層は、移植後早期に、自己組織化した層に置き換わった。この外側層は、最内層の補強材の働きをしていると考えられた。最内層のチューブの布は本来の構造を保持しつつ徐々に分解された。結論として、この新規の血管再生足場は、イヌの大動脈の構造と殆ど同じ構造の大動脈を再生することが可能である。

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