研究展望 はたしてアーリヤ人の侵入はあったのか?ヒンドゥー・ナショナリズムの台頭のなかで--言語学・考古学・インド文献学 Did the Aryan Invasions happen? In the rise of the Hindu Nationalism : Linguistical, Archaeological and Indological reexamination

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抄録

 さいきん、インドにおいて、ヒンドゥー・ナショナリズムの高まりのなかで、「アーリヤ人侵入説」に異議が唱えられている。そこで、小論では言語学、インド文献学、考古学の立場から、その「アーリヤ人侵入説」を検討する。 まず、言語学からいえば、もし「アーリヤ人侵入説」が成り立たないとしたら、「印欧祖語=サンスクリット語説」もしくは「印欧祖語インド原郷説」が想定されるが、いずれも、Hock(1999a)によって否定されている。また、インド文献学では、リグ・ヴェーダの成立年代問題など、たぶんに解釈の問題であって、インド文献学がこたえをだすことはない。考古学による証拠では、インダス文明が崩壊した時期における「アーリヤ人」の「大量移住」の痕跡はみとめられず、反「アーリヤ人侵入説」の根拠となっている。 結論をいえば、じゅうらいの「アーリヤ人侵入説」は見直しが必要である。「アーリヤ人」は「インド・アーリヤ祖語」を話す人々」とすべきで、かれらが同一民族・同一人種を形成している必要はけっしてない。また、「侵入」も「小規模な波状的な移住」とすべきで、年代についても紀元前一五〇〇年ごろと特定すべき積極的な根拠はない。

収録刊行物

  • 日本研究

    日本研究 23, 179-226, 2001-03

    国際日本文化研究センター

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    120005681654
  • NII書誌ID(NCID)
    AN10088118
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    Departmental Bulletin Paper
  • ISSN
    09150900
  • NDL 記事登録ID
    5842152
  • NDL 雑誌分類
    ZU19(書誌・図書館・一般年鑑--学術一般・博物館) // ZG6(歴史・地理--日本)
  • NDL 請求記号
    Z21-1836
  • データ提供元
    NDL  IR 
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