徳川家康の源氏改姓問題 Tokugawa Ieyasu's Change of Surname to Genji

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抄録

 徳川家康の姓氏問題は複雑である。家康はその血統的系譜を清和源氏の流れを汲む新田一族の一人得川四郎義季の末裔たることに求め、自らの姓氏を清和源氏と定めたとされるが、これは天下の覇権を掌握した家康が、慶長八(一六〇三)年の征夷大将軍任官を控えて系譜の正当化をはかる目的で、そのような始祖伝承を無理に付会していったものであるとこれまで見なされてきた。しかし家康宛の朝廷官位叙任に関する口宣を分析した米田雄介氏の近年の研究成果は、このような通説的歴史像に疑義を生じさせるものとなっている。本稿はこれらの研究史を踏まえ、かつ家康関係文書の再検討を通して、家康の姓氏の変遷を追究する。それは単に、家康の源氏改姓の時期のいかんを求める事実問題としてだけではなく、姓氏の変遷に表現されたこの時期の国政上の意義にかかわる問題でもある。本稿では、この家康の源氏改姓問題を通して、豊臣秀吉の関白政権時代の国制はその下に事実上の徳川将軍制を内包するような権力の二重構造的性格を有するものであったことを論じる。

収録刊行物

  • 日本研究

    日本研究 (16), 33-48, 1997-09

    国際日本文化研究センター

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    120005681725
  • NII書誌ID(NCID)
    AN10088118
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    Departmental Bulletin Paper
  • ISSN
    09150900
  • NDL 記事登録ID
    4316011
  • NDL 雑誌分類
    ZU19(書誌・図書館・一般年鑑--学術一般・博物館) // ZG6(歴史・地理--日本)
  • NDL 請求記号
    Z21-1836
  • データ提供元
    NDL  IR 
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