書誌事項
- タイトル別名
-
- The Tomb System of Early Modern Rulers and Its Historical Context
抄録
日本の近世における「王権」の墓制についてその歴史的な系譜と展開を示すことを 目的とする。特に天皇家,将軍家,大名家に視点を当て,支配者階級における造墓に 対する意識が,古墳時代以来改めて「象徴」として意識されたことを,墓の規模,構造, その変遷,宗教,思想などを通して捉えてみたい。具体的には,近世天皇家と将軍家 の墓の規模の比較検討をする。将軍家の墓制については,特に将軍が霊廟として祀ら れるが,その系譜は,中世禅宗における開山堂,昭堂の系譜にあることを類例など確 認しながら示した。さらに,将軍を中心とした実質的な権力下にあった構成員である 大名の墓制の実態と,造墓の背景となった,思想,宗教,政治的な関係について類例 を示しながら紹介した。結論的には,特に近世初期における大名家墓所造営において 遺骸を埋葬する場合,朱子『家禮』の葬制に則った埋葬が行われ,後の供養は仏教的 な様式に従ったことを指摘した。近世初期大名家墓所造営における儒教受容の一端を 先学の研究に導きられながら明らかにした。
収録刊行物
-
- 周縁の文化交渉学シリーズ3 『陵墓からみた東アジア諸国の位相―朝鮮王陵とその周縁』
-
周縁の文化交渉学シリーズ3 『陵墓からみた東アジア諸国の位相―朝鮮王陵とその周縁』 181-194, 2011-12-31
関西大学文化交渉学教育研究拠点(ICIS)
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1050001202915039232
-
- NII論文ID
- 120005686511
-
- HANDLE
- 10112/5912
-
- 本文言語コード
- ja
-
- 資料種別
- article
-
- データソース種別
-
- IRDB
- CiNii Articles