勢多本類聚国史目録のこと

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  • About the index of Ruiju Kokushi by Seta's version.
  • セタボン ルイジュ コクシ モクロク ノ コト

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抄録

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編年体である六国史の記載を中国の類書にならい分類再編集した『類聚国史』は、菅原道真の編纂により、寛平四年(八九二)に完成・成立した。中国有数の「類書」と対置されるほどに高い評価を受け、元来本文二○○巻目録二巻系図三巻の計二○五巻であったが、散逸して現存するのは六一巻のみで、亡佚巻の部立については、これまで坂本太郎氏をはじめとして、『類聚国史』内に記載される逸亡項目や、稀々に発見される逸文を基礎に推定されることが専らであった。 ところが、無窮会図書館神習文庫蔵『勢多本類聚国史目録」に記載される内容を検討した結果、新たに二○巻分の部立が未報告のものであることが判明した。これにより、既存の研究成果とあわせれば総計一六○巻分の部立が明らかとなる。 本稿では、当該資料を紹介するとともに、その妥当性を検討することにより、そこからさらに『類聚国史』の部立てがどの・ような配列原理で設定されたかということについても考察を進める。すなわち、『類聚国史』の配列原理が、それを使用する際の便宜を図るためになされたのではないかという視点に立ち、二官八省の組織を円滑に機能せしめるべく工夫されたと考える。 Michizane Sugawara edited “RUIJU-KOKUSHI (A collected Japanese history book)” and it was completed in 892. It was classified by six kinds of Japanese history books and was edited again. It receives a high evaluation as to rank with “a classic encyclopedia” eminent Chinese. Originally it had included 200 volumes text, 2 volumes of indexes, three volumes of genealogies, however, many part of the books had lost now. As a result, it remains only 61 volumes. By the way, there are new contents of 20 volumes, on the “Index of RUIJU-KOKIJSHI, Seta Version” (put in the library of the KANNARAI in the MUKYUUKAI-LIBRARY), that had not reported yet.

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