公認心理師法の政策形成・決定過程 : 日本臨床心理士会の動向を中心に

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タイトル別名
  • Policy Making Process of the Certified Public Psychologists Act in Japan
  • コウニン シンリシホウ ノ セイサク ケイセイ ・ ケッテイ カテイ : ニホン リンショウ シンリシカイ ノ ドウコウ オ チュウシン ニ

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抄録

2015年9月、公認心理師法が成立した。国家資格化は心理職にとって長年の課題であったが、医療団体や、臨床心理士の養成大学院等、関係者の利害が複雑に錯綜する難題でもあった。臨床心理士の事例は、先行する高等教育研究でも、新興専門職による大学院教育拡大の試みとして注目されてきた。特に日本の専門職養成を取り巻く政治構造に着目した研究では、他職種との比較の下、臨床心理士資格を巡る利害対立と権力構造の特徴が考察されてきた。しかし、公認心理師法の成立に至る過去10 年間の利害調整の過程と、権力構造の変化については、手つかずの分析課題として残されている。本研究では、このような公認心理師法の形成・決定過程について、最大の当事者団体であった日本臨床心理士会の資料を中心に、政策過程論の枠組みから考察を行った。その結果、公認心理師法の成立を左右した権力構造の特徴として、 1)専門職内・専門職間における合意形成の重要性、 2)拒否権プレイヤーとしての先行専門職の影響力、3)民間資格の効果と限界、の三点が明らかになった。以上の知見は、将来的な資格・養成制度の構築を目指す他の新興専門職に対しても、示唆に富むものであると考える。

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