技術者と一般人の信頼関係構築のために

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タイトル別名
  • Toward Establishing the Relationship of Mutual Trust between Engineers and the Public

抄録

本論文の目的は、科学技術の安全性・リスクという側面から、技術者と一般人の間の信頼関係をどのように構築していったらよいかという点について提言を行うことである。第一に、科学技術の安全性・リスクに関して、技術者個人の視点、技術者集団の視点、技術者が一般人といかに関わるかという視点、技術者と一般人の間の双方向的コミュニケーションの視点という四つの視点が、技術者倫理の議論に混在しているという点を指摘する。第二に、スペースシャトル・チャレンジャー号爆発事故の事例を取り上げ、従来から指摘されている複雑化した組織の問題のほかに本質的な五つの問題点があるということを論じる。第三に、これらの本質的な問題点は双方向的コミュニケーションと深く関連しているということ、双方向的コミュニケーションは、技術者と一般人の間の信頼関係の構築を可能にするということを指摘する。第四に、双方向的コミュニケーションによって信頼関係を構築していくうえでの二つの問題点について述べる。まず、技術者において、科学が客観的で確実なものであるという考えは根強いという問題である。次に、科学技術のリスク評価をめぐり専門家と一般人の間には深刻な対立があるという問題である。第五に、この二つの問題点に対して、三つの直接的な対応策と設計的思考の視点からの対応策を提示する。

収録刊行物

  • 応用倫理

    応用倫理 8 3-18, 2014-12-31

    北海道大学大学院文学研究科応用倫理研究教育センター

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キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390853649724934784
  • NII論文ID
    120005733025
  • DOI
    10.14943/ouyourin.8.3
  • HANDLE
    2115/61045
  • ISSN
    18830110
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
    • CiNii Articles
    • KAKEN
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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