介護保険機関における現認による介護技術評価の検者間信頼性の検討

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タイトル別名
  • Evaluating Inter-rater Reliability of Current Certification based Assessment for care skill in long-term care provider
  • カイゴ ホケン キカン ニ オケル ゲンニン ニ ヨル カイゴギジュツ ヒョウカ ノ ケンシャ カン シンライセイ ノ ケントウ

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抄録

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背景:2012年度から実施されている介護キャリア段位制度は、 臨床場面において、 アセッサーが実際の介護場面で介護技術を評価するという現認による評価が行われているが、 今後、 この現認方法による技術評価の信頼性をより高めるためには、 評価結果の精度を高めるような評価マニュアルの作成、 評価者の訓練、 項目の精査が必要となってくる。 そこで本研究では、 介護技術に関する実践的スキルの評価事業のデータを用いて、 同一被評価者に対して複数のアセッサーが評価をした際の評価結果を比較し、 アセッサー間の検者間信頼性の検討を行うことを目的とした。 方法:2011年度に実施された介護キャリア段位制度の実証事業の評価データ延べ850件から複数のアセッサーによる評価が行われた延べ118件の評価データを抽出した。 これらのデータから、 アセッサーの検者間信頼性について、 Cohen のκ係数を算出した。 また、 不一致の状況についても項目別にその割合を算出した。 結果及び考察:今回評価の対象とした基本介護技術の現認による評価項目である99項目のうち96項目 (96.9%) が許容範囲0.4以上であった。 しかし、 十分な信頼性があるとされる0.6以上とすると58項目 (58.6%) となった。 また、 もっとも低かったのは移動・移乗・体位変換に係る内容であることがわかった。 結論:本研究の検者間信頼性の検討結果から、 アセッサー間で評価の不一致が多い項目があることが分かった。 今後、 現認による介護技術評価の精度を高めるには、 定められた基準に従って同一の評価ができるようなアセッサーの養成が基本となる。 同時に定期的なデータ収集・分析を実施し、 これらの結果をもとにした項目の精査や評価の視点を解説した教材開発も必要となると考えられた。

収録刊行物

  • 経営と情報

    経営と情報 28 (1), 1-11, 2015-12-25

    静岡県立大学経営情報学部

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