新たに知られた日本産タコ類4種について

DOI 機関リポジトリ Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • On four newly known species of Octopoda from Japan
  • 新たに知られた日本産タコ類4種について〔英文〕
  • アラタ ニ シラレタ ニホンサン タコルイ 4シュ ニ ツイテ エイブン

この論文をさがす

抄録

近年著者の入手したタコ類4種を記載した. これらは昨年(1962) 日本動物学会大会(岡山}で 発表し要旨は動物学雑誌71巻397-398頁に載っている. 1) テナガヤワラダコ胴部などの破損した標本2点で,銚子沖産.全長約200mm,套長約50 mmで体は亜寒天質で半透明,腕は細長く側扇し吸盤は1列に並ぶ.交接腕(右第3腕)の舌状片 は糸状に細い.外套関口は2部に分かれ,歯舌の中央商は9歯尖,第I側歯は6歯尖,第2側歯は 7歯尖を有するのでフクロダコ族に所属するが,既知のどの科にも属せしめることができないので テナガヤワラダコ科とテナガヤワラダコ属を設け,フクロダコ科・クラゲダコ科との関係について, も考察した. 2) ヤワハダダコ土佐足摺岬沖と紀南礁で採れたもので全長約115mm,套長約36mm.未成 熟個体で皮下に極めて軟かい寒天質層がある.腕は比較的短かく吸盤は小形で傘膜は広い.ハワイ ・セイロン島南・アラビア海・ペルシャ湾で採れており日本は新分布地である. 3) センベイダコ標本2個で和歌山県南部沖産.既知のメンダコと比べると傘膜は狭く背軟骨 はゆるい弧状に曲がる点その他多くの点で異るが,Opisthoteuthis pluto, O.persephone (どちらも大豪 洲湾産),O. extensa (スマトラ附近産)と比べても背軟骨・鰹葉数・鰭形・触毛翰・体色などで異る. 4) オオメンダコ鹿島灘で採れた5個で,北米加州で1949年IC知られた種IL同定しうる.甚だ 大形で成熟雄には腕全長の中央部と左右の第1腕の先端部近くと合計2個所IC大形吸盤がある.太 平洋の東西2地方IC同一種を産することは注目される.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ