頭頸部放射線療法後にみられる口腔内乾燥を訴える患者の日常生活における問題と対処行動

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タイトル別名
  • Coping with problems in daily life of patients complaining of dry mouth after radiation therapy in head and neck
  • トウガイブ ホウシャセンリョウホウ ゴ ニ ミラレル コウクウナイ カンソウ ヲ ウッタエル カンジャ ノ ニチジョウセイカツ ニ オケル モンダイ ト タイショコウドウ

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抄録

本研究の目的は頭頸部放射線療法の晩期有害事象である唾液分泌減少による日常生活上の問題と対処行動を明らかにし、看護師の介入やケアの在り方の検討を行うことである。外来通院中の頭頸部放射線療法終了後3ヶ月以降の5名に半構成的面接法を用いて唾液分泌減少に伴う日常生活への影響及び対処行動の情報を得た。許可を得て面接内容を録音後、逐語録を作成し、共通性により情報を分類し内容を検討した。口腔内乾燥は対象者全員にみられた。全員が日常生活上の影響として食事が困難であると述べ、その中でも"食塊形成、嚥下"については特に問題があり、誤嚥のリスクを避け安全性を考慮した食事摂取のための対処行動を取っていた。更に"会話を円滑にする工夫"、"口渇による中途覚醒の予防"、"う歯の予防"について挙がったが、生活の様相と障害の程度で個別性が強かった。放射線療法後は看護師と関わる機会が少なく、患者自身が考えた対処行動を取っていることが明らかになった。晩期有害事象に対して、早期からの看護師による患者の生活に即した対処行動の支援が必要である。

収録刊行物

  • 大阪大学看護学雑誌

    大阪大学看護学雑誌 19 (1), 33-38, 2013-03

    大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻

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