北海道日高地方におけるエゾシカ(Cervus nippon yesoensis)の内部寄生虫相および道内エゾシカ寄生日本産肝蛭(Fasciola sp.)の分布域について

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抄録

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北海道において、エゾシカ(Cervus nippon yesoensis)の個体数は増加の一途をたどっており、その生息域はヒトの生活環境および家畜の飼養領域にまで達している。このため、エゾシカの排泄物を介して家畜やヒトへも肝蛭などの寄生虫感染の波及が懸念される。本研究では、2011年11月から2012年9月において、北海道日高地方で得られたエゾシカの新鮮直腸便437検体について寄生虫検査を行い、内部寄生虫の感染状況を調査した。一般線虫卵の寄生率は95.0%、日本産肝蛭(Fasciola sp.)の寄生率は9.5%であった。今回の調査によりエゾシカにおける肝蛭寄生率は既報の釧路および十勝で報告されている寄生率と比較して低い値であった。この結果は、中間宿主であるヒメモノアラガイの道内分布域と関連性があると考えられた。

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