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抄録
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本研究は、難聴者への否定的な態度にどのような価値観が関わっているかを探索的に調べた。研究1では、難聴の子を取り巻く周囲の子ども達が変容した学級について、担任教師へインタビューを行った。インタビューより、周囲の子ども達は、難聴の子どもに対する態度だけでなく、自閉症スペクトラム障害の子どもへの態度や、授業での様子など、学級全体の雰囲気が変わっていったことが語られた。担任教師の教育観から、子ども達の中で失敗に対する価値観に変化が生じていたことが推測された。研究2では、直接そのことを調べるため、質問紙調査によって失敗観と他者への態度に関連があるかを調べた。その際、難聴者だけでなく、健常者、吃音者も対象とした。その結果、否定的な失敗観が強い人ほど、他者との交流に対して抵抗感を感じており、その傾向は相手が健常者である場合よりも難聴者や吃音者である場合の方が強かった。これらより、難聴者を含む障害者への偏見や他者への寛容さの問題に対して、自己の価値観と向き合うことが重要であることが示唆された。
収録刊行物
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- 三重大学教育学部研究紀要. 自然科学・人文科学・社会科学・教育科学・教育実践
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三重大学教育学部研究紀要. 自然科学・人文科学・社会科学・教育科学・教育実践 67 149-160, 2016-03-22
三重大学教育学部
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050001202936422144
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- NII論文ID
- 120005766797
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- NII書誌ID
- AA12097333
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- HANDLE
- 10076/15107
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- ISSN
- 18802419
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB
- CiNii Articles
- KAKEN