日本語の「ナル表現」再考 : 『古事記』における「ナル」の意味・用法の示唆するもの

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タイトル別名
  • Reconsideration of the Meaning and Usage of Japanese Naru in Kojiki, Records of Japanese Ancient Matters

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抄録

一般に日本語は「ナル的言語」であると言われ、「ナル表現」への志向性が顕著に見られるが、「ナル的言語」は日本語だけではない。例えば韓国語やトルコ語も「ナル的言語」であり、「ナル」に相当する動詞が存在し、「ナル表現」もよく用いられる。この三言語の「ナル」とナル相当語[tweda, olmak] のうち、日本語と韓国語では主に変化の意味を表すが、トルコ語ではそれ以外に誕生・出現・存在などの意味を表す。こうした意味を現代日本語に求めると、「実がナル」という例しか見当たらないが、『古事記』では神々や国の誕生の場面で誕生・出現の「ナル」が多数観察される。

ナル表現

収録刊行物

  • 日本語日本文学

    日本語日本文学 (26), 27-38, 2016-03-20

    創価大学日本語日本文学会

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