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Abstract
日本語話者は古来より<主観的把握>の傾向に基づき,現前の<見え>から非\n現前の<見え>を創出する<見立て>という表現手法を発展させてきた。<見立\nて>は和歌などの文芸に始まり,次いで視覚表現を中心に日本文化の様々な分野\nで採用されて,今日に至る。<見立て>は現前の<見え>と非現前の<見え>か\nら成る二重構造を持つ,表現志向的な手法であるが,日本語の文法形式にもこう\nした二重構造が観察される。その一例が「の」をめぐる認知的構造である。すな\nわち,「の」も現前の<見え>に着目し,そこから推論される非現前の<見え>\nを創出し,同時にそのような非現前の<見え>を生じる現前の<見え>へと注目\nを誘導する表現である。
Journal
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- 日本語日本文学
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日本語日本文学 (25), 29-40, 2015-03-20
創価大学日本語日本文学会
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1050845762658486912
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- NII Article ID
- 120005820081
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- NII Book ID
- AN10387152
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- HANDLE
- 10911/4643
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- ISSN
- 09171762
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- Text Lang
- ja
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- Article Type
- departmental bulletin paper
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- Data Source
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- IRDB
- CiNii Articles