DNA methylation dynamics in mouse preimplantation embryos revealed by mass spectrometry

Bibliographic Information

Other Title
  • マウス初期胚におけるDNAメチル化動態の定量解析

Abstract

<p>【目的】哺乳類においては受精後,ゲノムDNAのグローバルな脱メチル化が起こることが知られている。このとき5-メチルシトシン(5mC)の減少に伴い,その酸化中間産物とされる5-ヒドロキシメチルシトシン(5hmC)が増加すると考えられてきた。しかし,その解析は蛍光抗体法など定量性の低い解析法に依存していたため,5mCおよび5hmCのレベル変化を化学量論的に論ずることは困難であった。そこで本研究では,液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析法を用いて5mC,5hmCの絶対定量を試み,マウス受精卵の全能性獲得過程におけるDNAのメチル化動態を明らかにすることを試みた。【方法】解析にはトリプル四重極型質量分析計(API4000,AB Sciex社)を使用した。【結果】高感度化により,約50~100個の細胞で5mC,5hmCの絶対定量が可能になった。その結果,マウス受精卵のメチル化レベルは約4.6%で,受精後に父方ゲノムにおいてDNA複製前から急激な脱メチル化が生じ,受精10時間後には約40%低下することがわかった。受精後10~48時間はメチル化レベルがほとんど変化せず,その後再び低下し,胚盤胞期胚で5mC量は約1%になることも明らかになった。さらに単為発生胚を作製して解析した結果,雄性発生胚でもDNA複製前から急激な脱メチル化が起こっていたことから,この5mCの低下に卵子核は関与しないことが示された。一方で,正常胚の5hmCレベルは常に低く(~0.2%),とくに受精後3~6時間においては5mCの低下に相当する量(~1.2%)の5hmCの増加は検出されなかった。このことから,少なくともこの時期において5hmCが非常に速く代謝されるか,5mCの減少と5hmCの増加は関係がない可能性が示唆された。また,雄性発生胚でのみ5mCの低下に伴う5hmCの顕著な上昇(1.38%)が受精6時間後に検出されたことから,父方ゲノムの5hmCの生成・代謝における卵子核の関与が示唆された。</p>

Journal

Citations (1)*help

See more

References(53)*help

See more

Related Projects

See more

Details 詳細情報について

Report a problem

Back to top