<特集研究ノート>現代ブータンの民主化プロジェクト : 「政治的なもの」からの距離をめぐって

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タイトル別名
  • A Democratization Project in Contemporary Bhutan: Establishing New Distances from 'Politics'

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抄録

本稿はブータンにおける近年の「民主化プロジェクト」の特徴について, 国会, 君主, そして仏教僧院および仏教僧の役割とその変容に注目しつつ, 包括的な理解を試みるものである。2008年に公布されたブータンの新憲法が国民の統一や統合をうたい, 民族や宗教による分断の契機を注意深く排除する一方, デモクラシーの象徴として導入された選挙制度は, 「政治的なもの」からの距離をめぐって人々の間に新たな境界線を持ち込みつつある。特に選挙人名簿からの宗教者の排除と, 政党政治からの宗教者や地方議会の排除は, 人々が複層的なアイデンティティを持つ可能性を奪い, 細分化された個別のカテゴリーへの排他的な帰属を求めている。本稿ではこれらの特徴を整理しながら, ブータンにおける「デモクラシー」の概要を描出し, 今後の課題を探ってみたい。

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キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390572174797084032
  • NII論文ID
    120005844228
  • NII書誌ID
    AA12520400
  • ISSN
    21859833
  • DOI
    10.14989/216638
  • HANDLE
    2433/216638
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
    • CiNii Articles
    • KAKEN

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