ヘレニズム時代東地中海のワイン交易 : エジプトからの視点

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  • ヘレニズム ジダイ ヒガシチチュウカイ ノ ワイン コウエキ : エジプト カラ ノ シテン
  • Wine Trade in the Eastern Mediterranean World in the Hellenistic Period : A View from Egypt

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抄録

ヘレニズム時代の東地中海において大規模なワイン交易が展開されていたことは、該期の遺跡から出土する膨大な数の地中海系アンフォラが明らかに示すところである。しかし、「ワイン交易」と総称される経済的な活動のメカニズムの詳細については、なお不明な点が少なくない。とりわけエジプトの場合には、近年パピルス史料の精査や考古学的な踏査を通じて、ナイル流域におけるワイン生産の規模が再評価される傾向にあり、かつてのように単なるワインの需要という観点からだけでは、東地中海各地からの活発なワインの輸入という現象を説明することが困難になりつつある。そこで、本論文では、エジプトにおけるこれまでの調査の成果を踏まえながら、ヘレニズム時代に東地中海を舞台とするワイン交易が活性化した要因を検討した。その結果、伝統的にエジプトと関わりの深いエーゲ海南東部において紀元前4 世紀以降に複数の海港都市が競合的に発展したことと、エジプト内部において地中海系のワインに独自の文化的価値が賦与されていたこととが、該期のワイン交易の発展に大きく寄与したであろうことを明らかにした。

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