被害者への共感的観察が脆弱性認知に及ぼす影響 : 詐欺被害事例を用いた検討

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タイトル別名
  • The effect of empathetic observation of fraud victims on individuals’ awareness of their own vulnerability to scams
  • ヒガイシャ ヘノ キョウカンテキ カンサツ ガ ゼイジャクセイ ニンチ ニ オヨボス エイキョウ サギ ヒガイ ジレイ ヲ モチイタ ケントウ
  • ヒガイシャ エ ノ キョウカンテキ カンサツ ガ ゼイジャクセイ ニンチ ニ オヨボス エイキョウ : サギ ヒガイ ジレイ オ モチイタ ケントウ

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抄録

詐欺被害が近年大きな社会問題となっており、関係各所が様々な対策を講じているものの一向に問題が解決する気配はみられない。その原因として、詐欺に対する脆弱性認知が十分に向上していないことが考えられる。本研究ではそのような背景を踏まえ、詐欺被害事例を読んだ際に被害者に共感的観察を行うことが、詐欺に対する脆弱性認知を向上させるのかということについて、2種類の詐欺被害事例(事例A, M)を用いた質問紙によって検討した。また、同時に他者に対する脆弱性も評価させ、自己に対する脆弱性認知との比較も試みた。その結果、共感的観察の操作に問題があった可能性が示唆され、事例Aでは脆弱性認知の変化は見られなかった。一方、事例Mでは当初の予測とは異なり、共感的観察が逆効果となる可能性が示唆された。今後は、より統制された状況の設定や、新たな共変量を加えたモデルの開発などさらなる検討が必要とされる。

収録刊行物

  • 対人社会心理学研究

    対人社会心理学研究 16 21-26, 2016

    大阪大学大学院人間科学研究科対人社会心理学研究室

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