グラスゴー王立病院看護教育刷新の今日的意義と問題点 : 看護師認定登録をめぐるナイチンゲールの反論から

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  • Today’s meanings and problems on renovation of nursing education in the Glasgow Royal Infirmary : in connection with Nightingale’s arguments against registration of qualifying nurses
  • グラスゴー オウリツ ビョウイン カンゴ キョウイク サッシン ノ コンニチテキ イギ ト モンダイテン : カンゴシ ニンテイ トウロク オ メグル ナイチンゲール ノ ハンロン カラ

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抄録

19世紀の中頃、グラスゴーの公衆衛生は最悪の状態にあった。埋葬地に隣接していたグラスゴー王立病院は熱病病棟や外科病棟を拡充し、1860年代には感染症を消毒によって防ぐことに成功した。1885年にグラスゴー王立病院看護師長に就任したレベッカ・ストロングは、急速に進歩する医学に適合した看護師準備訓練学校を1891年に設立し、看護師資格認定試験を第3者の手で行うことを提唱した。  折しも、ロンドンでは看護師資格認定試験及び国家登録をめぐる賛否両論が看護界を2分していた。認定登録推進派の英国看護協会と反対派のナイチンゲールは激しく対立したが、結局女王の勅令によって1887年から3年間続いた闘いに終止符が打たれた。この論争はまさに看護教育の歴史的分岐点を象徴する出来事であった。ストロングの看護教育刷新は英国看護協会側の立場に立っていた。看護教育にとって最も優先されるものは国家資格認定試験合格なのか、あるいは高度な技術と測りがたい人格的資質の育成なのか。そこには今日の看護教育のあり方を再考させる問題が提起されている。

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